相続のルールと手続きの流れについて 13
2019.05.10
遺産相続をする際にトラブルが起こりがちなので、事前に準備をしておく必要があります。
また、相続の対象財産や、相続の手続きの流れを知っておかないとスムーズに相続することができません。
今回も前回に引き続き、相続のルールと手続きの流れがわかる、遺産相続の基礎知識についてご紹介致します。
遺産分割協議(手続きの進め方)
◯遺産分割協議には相続人が全員参加する
遺産分割協議とは、遺産分割の方法を決めるための話合いのことです。
遺産分割を行うときには、まずは相続人が全員集まって遺産分割協議をすることが基本となります。特に方式は決まっていないので、電話やテレビ会議、手紙やメールなどを使ってやり取りをすることも可能です。
注意する点は、必ず相続人が全員参加しないといけないということです。1人でも漏れていたら、遺産分割は無効となります。相続人に未成年者がいる場合には、家庭裁判所で特別代理人という人を選任しなければならないことがありますし、認知症の相続人がいる場合には、成年後見人を選任しなければならないことがあります。
◯遺産分割協議書の作成方法
すべての相続人が合意したらその内容をまとめた書類を作成します。その書類のことを「遺産分割協議書」と言います。遺産分割協議書には、相続人全員が署名と押印をしなければなりません。
このとき、法律上は、実印である必要はありませんが、実際には実印で押印することが多いです。遺産分割協議書は、不動産の名義書換のときに必要になりますが、そのとき、実印で押印したものが必要ですし、全員の印鑑登録証明書の添付も必要となるためです。
そこで、実印以外で遺産分割協議書を作っても不動産登記の際に再度実印で遺産分割協議書を作り直さないといけません。また、実印で押印している方が遺産分割協議書の信用性も高くなり、将来のトラブルも防ぎやすいです。
そこで、遺産分割協議書を作成するときには、全員が実印で押印をして、印鑑証明書も添付しておくようにしましょう。
◯遺産分割調停
相続人が集まって遺産分割協議を行っても、意見が合わないことがあります。その場合には、話合いでは遺産分割の方法を決めることができないので、遺産分割調停をしなければなりません。遺産分割調停とは、家庭裁判所の調停手続きを利用して、遺産分割の方法を決める手続きです。
遺産分割調停にも、相続人が全員参加する必要があります。
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