生前贈与におけるメリットとデメリット
2020.10.28
生前贈与をした、あるいは生前贈与で財産をもらったという話を聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
それほど生前贈与という言葉は一般的であり、また日常的に行われていることです。しかし、生前贈与を行った際のメリットやデメリットまで理解して行っている人は少ないかもしれません。
そこで今回は、生前贈与のメリットとデメリットについてご説明いたします。
生前贈与とは?
生前贈与という言葉は広く一般的に用いられていますが、実は法律上の言葉ではありません。
というのも、そもそも「贈与」とは財産を渡す人と財産をもらう人との間で口頭でもいいので契約をしてはじめて成立するものであり、双方の当事者が生きているうちでなければ贈与は成立しないためです。
つまり「贈与」といわれるものはすべて「生前贈与」であるということができるのです。
ただ、単に贈与といわずあえて生前贈与という場合には、何らかの意図をもって生前という言葉を付け足していることが考えられます。
そして、それは「相続」との違いを強調するために生前贈与という言葉を用いている場合がほとんどだと思います。
亡くなった際に発生する相続税を少しでも低く抑えたいという考えのもと、子供や孫など下の世代に財産を移すことはよく行われます。
生前贈与を行えば、結果的に相続財産の金額を少なくすることができるため、相続税の額も低くなるのです。
贈与税の負担は相続税より大きくなる
ただし、贈与を行った際に贈与税がかかることを忘れてはいけません。
贈与税は、財産を受け取った人(受贈者)が贈与により1年間に受け取った財産の合計金額を計算し、その合計額から110万円の基礎控除を引いた後の金額に対して課される税金のことです。
1年間に贈与された金額が110万円を超えなければ贈与税はかからない一方で、110万円を超えた場合には相続税より高い税率で税負担が発生するのです。
相続対策のつもりで行った贈与が、かえって税負担を増加させる結果となってしまうこともあるのです。
贈与が成立していないと否認される場合もある
預貯金を子供や孫の名義で作っておくことがあります。
その口座を作った人が亡くなった場合、子供や孫の名義となっている預金口座については相続財産に含めず、その名義人に渡すことができるようにしておこうと考えているのです。
しかし、このような名義預金については、その預金口座の名義人となっている人が実際に口座の管理を行っていないことや、入金のあったタイミングでお金を受け取ったという事実を認識していないことがほとんどです。
そのため、贈与契約が成立していないとされ、相続財産に含めように税務署から指摘されることがあるのです。
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