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行政書士が行う内容証明業務とは③

2020.06.16

行政書士の業務内容については行政書士法第1条に記載がありますが、その中の1つに「権利義務に関する書類の作成」というものがあります。

その「権利義務に関する書類」の中には、「内容証明」というものが含まれます。

「内容証明」とはいったいどのようなものなのでしょうか。

 

内容証明の効力

内容証明の効力についてご説明致します。内容証明の効力としては主に2つあります。

・証拠能力
内容証明書は、差出人が受取人にどのような内容の文章を送付したかが証明されるため、もし、裁判になった場合には、受取人は「差出人の主張する請求は聞いた覚えがない。」「差出人から手紙等受け取ったことがない。」というような主張ができなくなります。

・心理的プレッシャー
内容証明書は、訴訟提起前の最終通告として使用される場合が多く、一般的な郵便とは異なる形式で書かれているため、普通の内容とは異なる印象を与えます。
また、文書の末尾には、差し出した郵便局の局長により内容証明郵便であることを証明する文章と押印がされているため、公的機関が証明する文書として、受取人に大きな影響を与えるかと思います。
法令根拠を記載している場合や回答がなければ法的措置をとる旨記載している場合には特に受取人としては困惑するため、内容証明郵便を出すことで早期かつスムーズに問題が解決する可能性があります。

 

行政書士による内容証明で注意すべきこと

内容証明作成業務は弁護士や司法書士でも可能ですが、「街の法律家」であり、身近な存在である行政書士が一番気軽に相談できる専門家として内容証明作成の相談をされる依頼者の方は多いのではないかと思います。

ですが、何でもかんでも依頼内容を受けて良いものではありません。

行政書士は、紛争性のある案件については、弁護士法と抵触するおそれがあるため、取り扱うことができません。

※ 弁護士法第七十二条では、「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」と規定されており、この法律に違反する行為が「非弁行為」となります。

 

また、内容証明書は、前述のとおり文書の内容が正しいか否かを証明するものではないため、何の証拠もない場合に内容証明書を出しても、受取人が請求に応じる可能性は低いといえます。

さらに、受取人が差出人と親しい関係である場合には、内容証明書を出すことによってそれまでの関係が崩れてしまう場合があります。

受取人と良好な関係でいたいという依頼者の方にとっては、内容証明書を出すことはリスクが高いため、依頼者の方としっかりと話し合い、相談した上で出すか否かのアドバイスを受けることがあります。

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