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雇用する側も就労ビザの知識を

2021.10.19

日本人を雇う場合、理系の学生を総務や人事で採用しても問題になりません。
私の知り合いにも理系出身で銀行へ就職し、営業をしている人間がいます。
しかし、外国人を雇用する場合はこうはいきません。

どれだけその外国人の人柄が良くても、
ビザ申請前に雇用契約をしていても
当該外国人の最終学歴と関係のない仕事にはつけないのです。

この表現は少々乱暴かもしれません。
入管職員側の多少の裁量があります。
大学(院)卒は裁量の範囲が専門学校に比べて広いようです。
それでも勉強してきたことと全く関連性がない仕事にはつけないのです。
会社側、外国人側双方で知らない方が結構います。

専門学校で観光系の勉強をしている学生を社長専属ドライバーとして雇いたい。
理系の人間を在庫管理の仕事で雇いたい。
といった問い合わせを頂くことがあります。
これは会社側、当該外国人、行政書士が頑張ったところで就労資格はもらえません。

以前は会社側が工夫をして、学生の学部に寄せた架空の仕事を作り出し、
その仕事をするために、学生を雇うといった荒業を考え出した方もいたようです。
それでビザが取得できたこともあったようですが、最近は更新の際のチェックが厳しいようです。
架空の仕事の実績を証明できなければ更新はできません。

通常、大会社でもなければ、初回のビザの更新は1年ないし2年目にあります。
雇われた外国人は1年後、2年後に仕事のチェックを受け、
実状と異なる事をしていれば、
または勉強してきたこととかけ離れた仕事をしている事が分かれば、
職を失うことになります。
それだけではありません。
当然、そのような事をした会社は目を付けられるでしょう。
罰則を受けることもありますし、
次回別の人材に対して、正当な申請をしても信じてもらえなくなる可能性があります。

当事務所としましても、このような方法でのビザ取得に協力はいたしません。

外国人雇用に当たっては、何となく一人雇用してみようではなく、
会社の戦力として、どの部分に人材が必要なのかを分析する必要があります。
この部分に必要な知識は〇〇で、専門学校だと××学部、大学だと▲▲専攻の人、
といった具合に、具体的に決めてから外国人材を探した方がいいです。

先ず会ってみよう。それから仕事と配置部署を考えようといった考えは、
就労ビザ取得にとっては危険です。

外国人はある一定の仕事しか就けない訳でもありません。
優秀な外国人材であれば、就職後に「高度専門職」といった資格にシフトできる可能性があります。
この資格を得られば、実際に働ける範囲を広げることが可能になってきます。
さらに永住権を取得すれば(帰化ではないので国籍はそのまま)、仕事の制限はなくなります。

外国人材を雇用する側もこのような知識を持っていれば、
選考の仕方も変わってくるのではないでしょうか。

遺言・相続、外国人の在留手続き、日本語学校設立申請は大阪市東淀川区のしまお行政書士事務所にお任せ下さい。


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